プロバイダ規制法とは
ネットトラブル
2015.10.03
質問者:
さて、今日は「プロバイダ規制法」についてお聞きしたいと思います。
インターネットが普及してきて、我々は何気なくネットを利用していますが、様々な問題に対応するために「プロバイダ規制法」が制定されています。
しかし、一般ユーザーには馴染みの薄い法律だと思いますので簡単にご説明いただけますでしょうか?
大和田:
ご質問の「プロバイダ規制法」の事を、正式には特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の事を差し、「プロバイダ責任制限法」と言います。
まず、「プロバイダ」と言う言葉が一般的にも、ビジネス的にもちょっと分かりづらいので、その部分から補足します。
一般にはプロバイダとは、インターネットをに接続する事業者です。
しかし、この法律でいうプロバイダとは、インターネット上でウェブサービスを提供する事業者の事を指します。
例えば、アメーバブログを運営しているサイバーエージェントがプロバイダになります。
質問者:
「通信回線を提供している業者」だけでなく「ウェブサービス提供者」もそれにあたるのですね?
大和田:
いえ、少し異なります。
ウェブサービス提供者をプロバイダ理解した方が正しいです。
質問者:
なるほど。。。
大和田:
厳密には通信回線を提供している会社も該当しますが、その部分は難しくなるので省きます。
次に、法律の概要ですが、プロバイダ(ウェブサービス運営者)の損害賠償責任を制限する事と発信者(書き込み者)情報の開示をする事をルールづけた法律となるのですが、、、、
例えば、私がアメーバブログを使って知っているAさんと名乗るブログで「死ね」「馬鹿社長」などの誹謗中傷を受けたとします。
(一般論として)この時に、アメーバブログを運営しているサイバーエージェントにただ文句を言っても消してくれることはありません。
質問者:
そうなんですか!?
では誰に連絡すればよいのでしょう。
大和田:
私は名誉棄損を受けているので、プロバイダ責任制限法のルールに基づき、サイバーエージェントに対して送信防止措置依頼と言うのを行います。
質問者:
「送信防止措置依頼」。リベンジポルノの削除依頼をする際にも出てきましたね。
大和田:
その後、サイバーエージェント自身がブログの書き込み者Aさんに確認をするか否かは別として問題のある情報を削除されます。
この時点で、サイバーエージェント自身は自主的に削除する義務はありません。
この部分が、プロバイダ責任制限法上ではプロバイダ(運営者)の損害賠償責任を制限する点です。
質問者:
「削除する義務はない」ので、書かれているからと言って損害賠償が発生する訳ではない、ということで間違いないでしょうか。
大和田:
はい、適切にルールに基づいてプロバイダ(運営者)が対処する事によりそのように解釈できますね。
続きですが、その際に、書き込み者Aさんに私からの連絡内容が通知され、七日以内に返答がなければ削除されます。
実は、私の誹謗中傷をしている先ほどのAさんは「知っている」人とお伝えしました。
質問者:
そうでしたね。
「知っている人」だと何か関係がありますか?
大和田:
これって本当に知っている人が書いているかどうかは、この段階では分からないのです。
ブログに○○会社のAさんだと名乗っていたりしたとしても、成りすましている可能性があるわけですね。
質問者:
そうですね!確かに、本当のところAさんなのかはわかりません。
大和田:
そこで、プロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求と言うのを行います。
発信者情報開示請求を行うと、プロバイダ側が取得している情報で以下の情報のいづれかまたは全てを得ることが出来ます。
1.発信者の氏名又は名称
2.発信者の住所
3.発信者の電子メールアドレス
4.発信者が侵害情報を流通させた際の、当該発信者のIPアドレス
5. 侵害情報に係る携帯電話端末等からのインターネット接続サービス利用者識別符号
6. 侵害情報に係るSIMカード識別番号のうち、携帯電話端末等からのインターネット接続サービスにより送信されたもの
7.4ないし6から侵害情報が送信された年月日及び時刻
しかしながら、何でもかんでも情報が出るわけではありません。
プロバイダ(運営者)も利用者(ここでは書き込み者)を守る立場でもあります。
従って、情報が開示されるかはプロバイダ(運営者)の判断に委ねられます
いづれにせよ、上記のいづれかの情報に基づきAさんが本当にAさんだという事が分かれば、今度はAさんとの話になりますね。
また、Aさんではなく全くの違う人物Bさんだった場合には、Bさんとの話になります。
質問者:
プロバイダ(運営者)に対して、利用者(書き込んだ人)の情報を開示するよう求めることができる法律ーーということでしょうか?
人物を特定できた後は、プロバイダ責任制限法の範囲からは外れ、例えば名誉棄損などで訴えるなどの話になってくると。
大和田:
その通りです。
質問者:
警察などへの捜査協力なども、この法律の下で行われているのですね。
まったく見知らぬものかと思いましたが、身近なニュースの背景で活用されている法律のようです。
どうもありがとうございます!
東京都生まれ。
高校卒業後に情報通信関連の一部上場企業に入社。
同社ではインターネット関連の事業部に所属し、退職後、モバイルメディア事業を立ち上げる。
2006年に株式会社アドリンクを設立、代表に就任。インターネット広告の代理店事業を開始。
2009年にネット上の誹謗中傷対策の分野に進出。
2013年、ネクストリンク株式会社に社名変更し、
ネット上の誹謗中傷対策事業を主軸として事業を展開して現在に至る。
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